2018.02.03
民法改正要綱案で遺産相続、相続相談、不動産相談は激変する!①
2017年、日本の65歳以上の高齢者は3,514万人、総人口の27.7%を超えました。そして、厚生労働省のデータによると、2017年の死亡者数は134.1万人を超え、人口は40万人以上減少しています。
そういった日本の超高齢化社会に対応するため、遺産相続のあり方を検討してきた法制審議会が相続関係の民法改正要綱案をまとめ、国会で話し合われます。今回は、民法改正要綱案の「配偶者居住権」についてお伝えします。
目次(下記項目をクリックすると移動します)
1.相続に関する民法改正要綱案の内容とは?
相続に関する民法改正要綱案の主な内容として、大きく4つあるので下記に記載します。
1-1.民法改正要綱案の主な内容
①配偶者の居住権を保護する
②遺産分割の見直しについて
③相続人以外の被相続人に対する貢献の考慮について
④遺言制度の見直しについて
今回は、上記の①配偶者の居住権を保護するについて解説します。
2.配偶者居住権とは?
配偶者居住権とは、被相続人(亡くなった方)の配偶者の居住する権利を保護する目的で、遺産相続で住んでいる自宅を追い出されないように新設予定の制度です。
2-1.配偶者居住権が必要なのはどんなケース?
現行の民法では、相続人は、相続が発生して開始した時から、原則は被相続人の全ての遺産を引き継ぎます。よって、現在住んでいる自宅の土地、建物も遺産分割の対象になります。そのため、自宅以外に遺産がなければ、死亡した夫が所有者である自宅に同居していた妻は遺産相続の遺産分割によって、子供達にも平等に遺産を分けることになれば自宅の不動産を売却し、現金化する必要があり、自宅の退去を迫られて「住み続けることが出来なくなるケース」に対応したものです。
3.配偶者居住権の具体的な制度は?
民法改正要綱案では遺産分割の配偶者保護で2-1.のようなケースを避けるために、配偶者短期居住権と配偶者居住権を設けています。
3-1.配偶者短期居住権とは?
配偶者短期居住権とは、被相続人の配偶者が遺産分割の対象になる土地、建物に住んでいる場合、遺産分割終了までは無償で住めるようにする権利のことです。
相続が発生してもすぐに退去しなくても良いように配偶者の居住する権利を保護しています。
3-2.配偶者居住権
配偶者居住権とは、居住用住宅の権利を「所有権」と「居住権」に分けて、配偶者は居住権の取得によって、所有権が子などの相続人や第三者に渡っても自宅に住み続けることができるようになります。
ここで問題になる居住期間は遺言や遺産分割協議で決めることが出来るようになります。尚、一旦発生した居住権は介護施設に入所したり、病院に入院しても、譲渡(他人にあげる)や売買は出来ません。
3-3.配偶者居住権のポイント
配偶者居住権のポイントは、配偶者居住権は土地や家などの不動産評価よりも低くなるので、配偶者が法定相続分で相続しても、住んでいる家を失わない上に、不動産以外の遺産に現金があれば相続できるケースが増加します。
そして、この配偶者居住権の権利を行使するには不動産登記と同じように「登記」が必要になります。
4.まとめ
今回の民法改正案は、1980年に配偶者の法定相続分がそれまで3分の1だったのが、2分の1まで引き上げられた時以来の約40年ぶりの大改正となります。
相続が発生した時に配偶者の保護をするのは私も大賛成ですが、配偶者居住権によって、これだけ高齢化が進み、2025年には1,300万人を超えると言われる認知症患者がいる日本では、逆に空き家が増加する恐れがあることも考えられます。
最後に、個人的にはご両親が子供を育てるために購入して、苦労して住宅ローンを払ってきた家をご両親が住もうが、不動産売却しようが、本来は子供がガタガタ言う話ではないと思います。ご両親がお元気なうちに親孝行して欲しいものです。
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今回は以上になります。それではみなさま、「See you!」