2018.01.02
不動産売却や土地売却で重要な権利証と登記済証、登記識別情報
今回は、相続や空き家などの不動産売却や土地売却で非常に重要な権利証と登記済証、登記識別情報についてお伝えします。
目次(下記項目をクリックすると移動します)
1.権利証(登記済証、登記識別情報)とは?
権利証とは、土地や建物などの不動産の権利を登記したときに、平成18年以前の不動産登記法の改正前まで法務局から交付されていた登記済証のことです。平成18年の不動産登記法改正以後は、登記済証の代わりに、登記識別情報が発行されるようになっています。つまり、権利証とは正式名称ではなく、発行時期によって、登記済証もしくは、登記識別情報のことを指します。
1-1.登記識別情報とは?
登記識別情報とは、土地や建物などの不動産権利を登記した時に法務局から発行される登記名義人を識別するために必要な情報が記載された書類です。平成18年に不動産登記法が改正される前に発行されていた登記済証の代わりになる書類で、ほとんどの場合、緑色の1枚の紙です。
また、登記識別情報は、登記所が無作為に選んだキャッシュカードの暗証番号のような12桁の英数字がシールの下に記載してあります。つまり、登記識別情報の12桁の英数字番号を知っていることで不動産の所有者と判断し、登記名義人を識別しようとする訳です。
登記官は、申請人自らが登記名義人となる場合、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならなりません。よって、登記識別情報を通知されたら、シールを剥がすと二度と貼れなくなるので、剥がさずに管理する必要があります。
1-2.登記済証、登記識別情報は何に使うの?
登記済証、登記識別情報は記載されている不動産が名義人に所有権があることを示す書類として利用されてきました。この書類があると不動産売却や、抵当権を設定してローンを組んだりすることができます。
2.不動産登記法の改正
不動産登記法の改正があった平成18年以前は、登記済証が発行されていましたが、それ以後は登記識別情報という書類に順次変わり、現在は全て登記識別情報になりました。
現在では不動産登記法の改正によって、登記済証が廃止されて基本的にはオンラインで情報が管理されているので、現在では新規に交付されることはなく、登記識別情報への切り替えによって、数字とアルファベットの組み合わせで各々の不動産に付された情報により権利の証明が可能になったのです。
3.登記済証や登記識別情報を紛失したら?
登記済証や登記識別情報を紛失した場合や、登記識別情報の12桁のパスワードを他人に盗み見られるなどした場合に、登記済証や登記識別情報を入手した他人がこれを悪用し、勝手に自分のものにする所有権移転の登記や、お金を借りるための担保として、抵当権設定の登記をすることが想定されますが、実際はどうなのでしょうか。
3-1.紛失した場合の対策
登記識別情報などを紛失した場合の対策として、登記申請には登記識別情報の他に、印鑑証明書等の添付情報が必要となります。よって、実印や印鑑証明書をきちんと管理すれば、勝手に登記出来ません。
また、登記識別情報の紛失だけでは、登記記録上の権利には何の影響もありません。登記名義人ではない者が、他人の登記識別情報を用いて不正な登記を行うことは、一般的には容易なことではなく、仮に、登記名義人でない者が他人になりすまして不正に登記をしても、その登記は無効で犯罪となります。
そして、実際にはあくまで所有権を主張するための書類であって、所有権があることを証明している証拠書類ではありません。そのため、登記変更が行われてしまったとしてもそれが悪用されたことによるものであって無効だということを証明できれば問題がないのです。しかし、通常は弁護士を雇って裁判に持ち込むことになってしまうことになるので、費用も時間も無駄にかかってしまいます。そのため、紛失しない方が良いですが、いざ悪用された場合でも、打つ手があることを覚えておきましょう。
3-2.不正な登記を防止する方法
また、不正登記防止を申し出ることも可能です。申し出をしてから不動産に関する登記があったときに通知を受け取ることができる制度です。これを利用すれば紛失して悪用されてもすぐに気づくので、速やかに対策を立てることができます。
4.まとめ
現在、日本では130万人以上の方が亡くなり、相続が発生しています。よって、本日お話しした登記済証、登記識別情報の知識と管理は人ごとではありません。
よって、相続対策や終活に必要となるご自分が所有する不動産もしくは、ご両親が所有する不動産の登記済証もしくは、登記識別情報がどこにあるのか、保管方法はご家族間で共有しておいた方が良いでしょう。
また認知症患者も年々増加し、2025年には認知症患者は1,300万人を超えるともいわれています。早目の準備と早目のご相談が選択肢を増やすことになります。ご相談はまずは気軽に、そしてお早目にご連絡ください。
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