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2017.07.06

相続年間130万件時代、加齢や認知症で必要な成年後見制度とは?

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今回は、不動産売却の場面でよく出てくる「成年後見制度」についておはなししたいと思います。この制度は、老後の財産・資産を守るうえで重要な制度です。わかりにくい内容ですが、できる限り頑張ります(笑)

 

1.成年後見制度とは?

成年後見制度とは、加齢や認知症などで判断能力が十分ではない方を法律的に支援・援助するための制度で、その判断を代わりに行う保護者的な人を作ることです。

この制度には、「法定後見」と、「任意後見」の2つがあり、任意の契約で依頼された方か本人の親族が後見人として選出されるケースがあります。

しかし、成年後見制度は内容が多少複雑なこともあり、揉めたり、トラブルになる場合もありますので、その場合は司法書士や弁護士といった法律の専門家が成年後見人等に選任されるケースもあります。

 

2.成年後見制度の効果は?

成年後見制度を利用した時の効果は、成年被後見人が認知症や知的障害、精神障害などによって冷静な物事の判断がつかなくなった場合、日常生活においてお金の管理などが正常にできないため、大きく分けると2つの効果があります。

 

①成年被後見人が生前の時は、成年後見人が日常生活の環境と財産を守るため、詐欺などの犯罪で財産を騙し取られるなどの被害に合わないようにできます。

②成年被後見人の死後、相続が発生した時も、生前にきちんと財産や生活費などが管理されていれば、スムーズな遺産分配を行うことができます。

それでは、成年後見制度の「法定後見」と「任意後見」を解説していきます。

 

3.法定後見とは?

法定後見とは、法律の規定によるものであり、本人の判断能力が不十分になったことにより、家庭裁判所に選任の申立てをします。後見人の選任・権限は、裁判所の審判によって決定されます。

例えば、不動産所有者が認知症などにより、不動産売却の意志を自分で判断できない場合に、裁判所に申し立てをして審判を受けることがあります。

 

4.任意後見とは?

任意後見とは、契約によるものであり、判断能力が不十分になる前の本人の意思によって定めます。誰を後見人にするか・与える権限は、本人の意思であらかじめ決められます。

 

5.法定後見と任意後見の違いは?

法定後見と任意後見の違いは、後見人の選任が本人の判断能力が不十分になる前か後かということです。

また、法定後見には類型が3種類あり、違いは本人の判断能力の程度の違いによるものです。

 

5-1.後見

・・・「自分の行為の結果について合理的な判断をする能力」がない場合

<具体例>

・日常の買い物がひとりではできず、誰かに代わってやってもらう必要がある人

・家族の名前、自分の居場所など、ごく日常的なことがわからなくなっている人

・完全な植物状態(意識障害)にある人

 

5-2.保佐

・・・「自分の行為の結果について合理的な判断をする能力」が著しく不十分な場合

<具体例>

・日常の買い物程度は自分でできるが、重要な財産行為は自分で適切に行うことができず、常に他人の援助を受ける必要がある人

・ある事柄はよくわかるが、他の事柄は全くわからない」「日によって、認知症の症状が出たりでなかったりする」というような症状が、重度の人

 

5-3.補助

・・・「自分の行為の結果について合理的な判断をする能力」が不十分な場合

<具体例>

・日常の買い物程度は自分でできるが、重要な財産行為は自分で適切に行うことができず、常に他人の援助を受ける必要がある人

・「ある事柄はよくわかるが、他の事柄は全くわからない」「日によって、認知症の症状が出たりでなかったりする」というような症状が、重度の人

これらのどの類型が本人に合致するかは、微妙なところもあり、基本的には、裁判所に提出する医師の診断書や、裁判所が行う医師の鑑定結果に基づき判断されます。

 

5-4.申立てから審判が下りるまでの期間は?

各ケースによりますが、鑑定や事情聴取などの手続きでだいたい3~4か月程度です。

また、審判が下りると、以前の禁治産者制度のように戸籍に記載されることはなく、法定後見開始の登記がされます。


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不動産等の取引の際は、この登記事項証明書が後見人等の権限を証する書面となります。

最後に、下記のような問題がある場合は、成年後見制度の利用を弁護士に依頼する事で解決できる可能性があります。

・被相続人(相続される人)に身寄りがなく、遺産(相続財産)の行方が心配
・本人の財産を親族が浪費している
・親族間で紛争している
・知的障害がある親族がいる場合
・財産管理を信用できる人に任せたい

上記のようなお悩みは司法書士、弁護士への相談で解決できるかもしれません。必要な方は、ご紹介させて頂きますので、お気軽にご連絡ください。

 

↓↓↓成年後見制度と関係がある「認知症」については、下記ブログをご参照下さい↓↓↓

 

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