2017.08.22
不動産鑑定と不動産査定の違いと、不動産一括査定サイトの罠
今回は不動産鑑定と不動産査定の違いとネット広告でよく見かける不動産一括査定サイトの問題点について本音で現場の問題を解説します。
目次
1.不動産鑑定とは?
不動産鑑定は、国家資格である「不動産鑑定士」しか出来ません。
どんなときに使うかをあえて書きますと以下の通りです。
・不動産売買
・不動産による財産分与
・不動産相続
・不動産贈与
・国・都道府県・市区町村からの土地評価
・裁判所からの競売物件の評価などの公的な仕事
・銀行からの担保評価
・会計事務所からの企業不動産の時価評価、売買の目安とするための鑑定評価
・実務では、大規模な土地を購入し、マンションを建築するとか、商業施設作ったりするときに、デベロッパー(土地を購入し、建築物を建て、運用したり、売却したり、証券化して売却する会社)が融資を受けるときに金融機関に提出したり、金融機関が依頼したりすることぐらいしかありません。
結論を言うと、金融機関対策と、大企業の内部対策、公的な仕事が「不動産鑑定士」の仕事です。つまり、あまり民間の仕事は多くなく、公的な仕事が取れるかどうかが大きいです。私も、以前不動産鑑定士になろうとして、勉強したこともありますが、はっきり言って、資格でご飯食べるのは非常に厳しいです。住宅の売買や、住宅地、マンションなどでは使う必要は全くなく、相続などでも実務上、出番はほとんどありません。
2.不動産査定とは?
不動産査定とは、不動産の売主が不動産会社に依頼して、近隣の不動産相場を知り、不動産査定した物件がいくらで売れるのかを知るために実施するものです。不動産査定によって、説明や提案を聞いて、不動産売却を依頼する不動産会社選定と、不動産売却開始価格を決定します。
2-1.不動産一括査定サイトとは?
不動産一括査定サイトは、主に個人がインターネット広告を見て、不動産相場を知りたいときに利用されます。有名どころの一括査定サイトをあげると、スマイスター、イエイ、イエウール、ホームフォーユーなどがあります。
2-2.不動産一括査定サイトの広告とは?
不動産一括査定サイトの多くは、今すぐ査定金額がわかるような嘘のインターネット広告で集客し、査定依頼を不動産会社にメールを送ります。(もちろん、全てのサービスがそうではありません)例えば、1分で不動産価値がわかる、500万円高く売れる、いくらで売れたなど、ほとんど嘘のネット広告で集客しているのが実情です。なんで、誰も嘘を指摘したり、訴えないのか理解に苦しみます。
また、アフィリエイトと呼ばれる集客サイトも多数存在し、不動産一括査定サイトを褒めたり、素晴らしいって書いたりして、そのサイトに誘導してお金をもらっている会社や個人のケースもあります。
2-3.不動産一括査定サイトの仕組みは?
不動産一括査定サイトのネット広告で査定依頼すると、加盟している不動産会社から一斉に電話が来て、困惑することになります。加盟している不動産会社は、査定依頼があると、1件につき7,000円から12,000円を不動産会社1社あたり一括査定サイトに支払い、その査定依頼を買うかたちになっています。つまり6社なら、42,000円〜72,000円が一括査定会社に入る計算になります。実務でいうと、詐欺まがいの今すぐ相場がわかるとか、高く売れるとかの広告のおかげで、不動産会社には不動産査定依頼数だけ多く、不動産会社は毎回、査定依頼に対してお金を払っているのが現状です。
ここでは、あえて一括査定サイトの会社ごとの良し悪しは言いませんが、不動産査定を依頼したにもかかわらず、不動産会社が不動産査定依頼者に電話やメールで連絡すると、迷惑がられるのが実情です。正直、腹しか立ちません。不動産会社はお金を払って、無料で査定するにもかかわらず、迷惑がられるという意味がわからないサービスです。
3.不動産一括査定サイトの実情
不動産一括査定サイトから訴えられるので実名は控えますが、不動産一括査定サイトの多くは、使わないでお客様が相談してくれるなら、絶対どこの不動産会社も使いたくないサービスです。
3-1.不動産一括査定サイトの裏話
1.不動産一括査定サイトから査定依頼が入ります。(この時点で、一括査定サイトに1社あたり7,000円〜12,000円払わなければいけません)
2.大体、査定をするにあたって情報が不足しているため、ちゃんと査定するためにお客様に電話もしくはメールします。(半分は電話に出ない、メール返信はありません。でも、お金は取られます)
3.電話に出た場合は、査定依頼した事情や、不動産の状況を確認します。(当たり前ですが、所有者本人が依頼したかどうか、何に困っているのかは当然聞かないと、査定書なんて送付できるわけがありませんし、良い提案なんかできるわけありません。)
4.土地・建物謄本、公図、測量図、図面などを取得しないと不動産査定ができないので取得すると、この時点で1,000円以上の経費が不動産会社には発生しています。
5.きちんとした会社だと、現地も確認してお客様の役に立つ情報を添付し、不動産査定書を数時間かけて作成します。(当然、高額な人件費が発生します。)
6.不動産査定書ができたら、郵送、メールなどでお届けして、届いたかどうかの確認をします。(ほとんどの場合、不動産売却の必要性がなく、相場価格を知りたいだけなので、不動産会社は無駄に経費を払い、そして依頼者も説明受ける気がないので、満足しません)
はっきり言いますけど、こんなサービス、誰のためになるんですか?不動産査定の依頼者は迷惑がり、丁寧にコストをかけ、対応した不動産会社に依頼者は全く感謝しません。喜んでいるのは、儲かる一括査定サイトの運営会社だけです。こんな、無駄はもうやめにしませんか?
3-2.車の一括査定サイトとの違い
車の一括査定サイトは、買い取る車屋さんがそれぞれ、いくらで買取するかの値段を出します。つまり、買主なんです。車の業界の流通には、仲介がないんです。
不動産を買取依頼される方は、ほとんどお金に困っていて売却を急ぐか、情報不足で不動産一括査定サイトに依頼されています。(不動産仲介と買取の違いを理解されていません。)いかに無駄かは、ご理解いただけますでしょうか。
あなたは、本当に安くてもいいから早く売りたいんですか?
4.まとめ
今回は、本当に実務での問題しか書いていませんが、不動産一括査定サイトのサービスはあなたに必要なんでしょうか?
あなたは、本当に安くてもいいから早く売りたいんですか?
高く売りたいなら、不動産一括査定サイトでは不可能です。不動産の相場を知りたいだけなら、一括査定サイトではなく、地場で強い不動産会社に電話かメールして、査定してもらってください。提案内容、担当者との相性などを加味して、どの不動産会社に不動産売却を依頼するかを決定しましょう。
日本からこの生産性がなく、査定依頼者も喜ばず、不動産会社も迷惑以外の何物でもない、誰も喜ばない不動産の一括査定サイトという無駄なサービスが消えてくれることを心から願っています。
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今回は以上になります。それではみなさま、「See you!」