2017.08.11
あなたも失敗する!相続、終活、遺産分割協議の基本知識
現在日本では、毎年130万人以上の方が亡くなっており、相続が発生しています。
ざっくりイメージを掴むためだけの試算をすると、日本の2015年における世帯数が5,333万世帯で亡くなった方のお子さんが平均2人と仮定すると、亡くなった方に何らかの相続が発生したとすると、相続の関係がある方は年間4.86%になります。(これは公式な数値ではなく、目安として参考にしてください。)
130万(人)÷(5,333万÷2)=4.86%
ざっくりな目安ですが、それだけ自分たちの周りの人に相続が発生している人がそれだけ多いということです。
つまり、「相続」はもはや、人ごとではありません。
そして、未来テラスに相談があるときには、遺産分割協議が終わり、不動産を売却する相談が多いですが、それでは遅いんです!
よって今回は、揉めないためにまずは相続の基礎についてお伝えします。
目次
1.相続とは?
相続とは、亡くなった方の財産などの様々な権利・義務を亡くなった方の配偶者や子など家族が引き継ぐことです。
相続で亡くなって遺産を遺す方を「被相続人」と呼び、遺産を引き継ぐ方を「相続人」と呼びます。
そして、被相続人から相続人に引き継がれる財産のことを「相続財産(遺産)」と呼びます。
現在の法律では、遺言がない限りはご家族、例えば配偶者(亡くなった方の奥様やご主人)・子・親・兄弟姉妹などが相続人となります。
2.家督相続とは?
家督相続とは、明治31年7月16日から昭和22年5月2日まで施行されていた旧民法による相続方法で、被相続人が死亡した場合に長男が全遺産を相続するのが原則とされていました。
昔のドラマなどで、長男が実家を継いだり、家業を継ぐのは、この名残りともいえます。
3.相続の基礎
相続については、かなり複雑な知識が必要になりますので、今回は不動産を売却する際に必要になることをポイントだけお伝えします。
3-1被相続人の遺産(資産・負債両方の調査)
被相続人の遺産は資産と負債の両方を調査する必要があり、資産は不動産、現金(預金)、有価証券、生命保険、貴金属などがあります。負債は借金ですので、まず資産と負債を調査して現状把握します。
3-2.相続するなら、資産と負債両方する必要がある
相続する場合は、借り入れなどの借金も含めて、資産とともに相続するかを判断する必要があります。
3-3.非課税財産とは?
非課税財産とは、相続財産にならない非課税の財産のことで、例をご紹介していきます。(ただし、純金の高価な仏壇などは例外になります。)
1.墓所、仏壇、祭具など
2.国や地方公共団体、特定の公益法人に寄附した財産
3.生命保険金
500万円×法定相続人の数(法定相続人が2人なら1,000万円まで)
4.死亡退職金のうち次の額まで
500万円×法定相続人の数(法定相続人が3人なら1,500万円まで)
3-4.遺産分割にならない資産とは?
遺産分割にならない資産である生命保険は、被保険者(保険をかけた人)の死亡により、保険契約の効力として直接に受取人に帰属し受取人の固有財産(本来、有していた財産)となるため、被保険者の相続財産とならないとされています。
要するに、生命保険は基本的に相続財産から除外して遺産分割協議をすることになります。
3-5.相続人特定のためにする戸籍調査とは?
戸籍調査とは、認知している子(非嫡出子)などがいないか調査して、相続人を特定する作業です。
その後、相続を受けるかどうか、相続人の方に確認したりした上で、遺産分割協議を実施。書類を作成し、登記などの手続きを行います。
3-6.遺産分割協議とは?
相続財産が確定、相続人が確定したら、どう分配するかを決めるのが、遺産分割協議になります。
・相続税の基礎控除額が変更(平成27年1月以後の相続から)
改正前:5000万円+1000万円×法定相続人の数
改正後:3000万円+600万円×法定相続人の数
このように、基礎控除が6割に縮小されました。基礎控除は、相続税の申告が必要になるかどうかのボーダーラインです。
遺産が基礎控除以下の場合には、相続税の申告は必要ありません。しかし、遺産が基礎控除を超える場合には、相続税の申告が必要になるので、ご注意ください。
例.未来テラスの近くの事例ですが、大野城市筒井周辺の土地は周辺相場で、坪50万円程度で取引されています。土地が150坪ですと、実勢価格は約7,500万円です。
しかし、相続税の計算では相続税評価額で算出しますので、この事例では約4,500万円の評価でした。
ざっくりしたお話しですと、相続資産が大野城市筒井の不動産だけの場合、4,500万円から基礎控除3,000万円と(法定相続人数×600万円)このケースは相続人が2人でしたので、1,200万円を引いたものに相続税がかかるような感じになります。
ただ、あくまでざっくりしたお話しですので、正式には税理士さんをご紹介しますので、話し合いながら進めてください。
また、相続税の支払いとは別に、不動産を売却した際の利益に対して、(譲渡所得)税金がかかる場合があります。未来テラスに相談されるか、税務署や税理士さんと相談しながら進めましょう。
4.まとめ
とにかく、相続は奥が深いです。毎回、相続人も違いますし、相続財産も違うので、同じようなケースでも、揉めるケースと揉めないケースがあります。ただ、揉めるケースははっきり申し上げて、亡くなった方とご家族の準備不足とコミュニケーション不足があります。(最近では終活といったりします。)
相続対策とは、相続税を抑えるための対策と考えている方が一般的ですが、実は揉めないようにする対策が一番重要です。
生命保険などの活用、不動産の査定もそうですが、相続関係人を明らかにし、エンディングノートに記載するような内容は元気なうちから、家族で話し合う機会を設けた方が良いと思います。もっとも、それが終活で一番大事なところなんです。
相続の現場を相当経験した中で一つ言えることは、親の財産で揉めたら、親は喜ばないし、浮かばれないと思います・・・。
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